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  • 執筆者の写真nekogumi

エイズも白血病も陽性の猫を引き受けてみて

更新日:2022年2月1日

猫組で里親募集をしている猫で、エイズも白血病も陽性の、いわゆるダブルキャリアのジュリという名の猫がいる。他の猫への感染を避けるために、ジュリさんには申し訳ないのだが、狭い洗面所で一人暮らしをしてもらっている。


ある日突然近所のお宅の敷地内に現れた猫なのだが、大変人懐っこく、飼い主がいるのではないかと警察や動物愛護センターに問い合わてみた。探しているという連絡は入っていないということだったので、警察に拾得物の届けを警察に出し、3ヶ月後に猫組で所有権を得たのである。


ジュリさんの話は紙芝居的動画を作っているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。




猫の「エイズ」と「白血病」とは何なのか。


短く「エイズ」と言っているのは、

「猫免疫不全ウイルス(FIV)」のこと。


短く「白血病」と言っているのは、

「猫白血病ウイルス(FeLV)」のこと。


両方ともウイルスなので感染するものであって、「エイズ」は人のエイズ(HIV)と似ているが、「白血病」は人の白血病(血液のがん)とはだいぶ異なる。


なのになぜこの名前が定着してしまったのだろう…ややこしい。


感染は猫同士のみで、人と猫の間では感染しない。


「猫の〜」は英語ではfelineと言うので、最初に「F」が付いているのは「猫の〜」ということなのかなと推測できる。FIVとFeLVのほうが混乱しなさそうなので、以後はFIVとFeLVと書くこととする。


FIVとFeLVの検査は、血液を検査キットに垂らして行う。検査キットの在庫がない!などではない限り、動物病院では即日行ってもらえる検査で、通常結果も10分ほどで教えてもらえる。


自分は猫カフェ勤務時代に、FIV陽性の猫のみの猫カフェの管理もしていたが、陰性の猫と何か違う点があるかと言えば、この検査で陽性の結果ぎ出たという事以外、ほとんどなかった。


FIV陽性の猫は歯肉炎になりやすいという話を何度か聞いたことがある。FIV陽性のみの猫カフェも、陰性のみの猫カフェも、歯肉炎の率は共に全体の1割程度ずつで、とりわけFIV陽性の猫のほうが多いわけではなかった。


どこかの病院で、歯肉炎の猫のうち何%がFIV陽性だったのかとか、FIV陽性の猫のうち何%が歯肉炎だった、などというデータを公表していないだろうかと探しているのだが、今のところ見つけられていない。


猫組には生まれた時から完全室内暮らしの猫で、FIV陽性の猫が2頭いる。現在(2021年)彼らの年齢は13歳。1頭は抜歯手術済だが、もう1頭の歯茎は大変健康的で歯もきっちり全部健在である。


一方FIV陰性の猫のうち、19歳と14歳の猫は歯肉炎がひどくなり、抜歯済み。


そんなことからもFIVだから、ああなるこうなる、というわけではないものだと感じている。なる時は陰性だろうが陽性だろうがなるのだ。


ただ、FeLVも陽性の猫は、ジュリさんが初めてだった。


以前、保護活動を行っている知人がFeLV陽性の猫を引取り、1年以内に亡くなってしまったのを見ているので、最初は若干ビクビクしていた。


ジュリさんは保護当時からまるまると太っていて、健康体(健康を通り越して肥満…)で、弱そうなところがほとんどなかった。口内炎があると言えばあるのだが、痛みもないようで、ごはんをガツガツと食べている。


FeLVは陰転すると聞いていたので、もしかしてそのうち陰転するのではないか?と思い、1ヶ月毎に検査をしてもらっていたのだが、結果ずっとFIVもFeLVも陽性。


FeLVが陰性になったら、洗面所を卒業できるかもと期待していたのだが、なかなか陰性にはなってくれない。


そんな事をしている間に、ある猫カフェで、2ヶ月の隔離期間中に3回の陰性結果が出たからカフェデビューしたのだが、その後の検査で陽性が出てしまい、猫カフェは一時期臨時休業、猫カフェにいる猫の全頭検査をしたという案件が発生した。


幸い他の猫はみな陰性だったようだ。


調べてみたら、検査で陰性が出ても、骨髄に潜伏している場合があり、再び血液中にウイルスが出てくることがあるのだそうだ。


あともうひとつ、以前から言われてはいるが、検査は100%正確ではないとのこと。本当は陰性なのに陽性の結果が出てしまったら、たまったもんじゃないが仕方がない。


他の猫がいない1頭だけの飼育であれば、感染の可能性はゼロなのだから、1頭で猫を飼いたいという方との出会いをひたすら探すのみである。


ジュリさんが猫組に来てから6ヶ月経つが、本当に他の猫と何ら変わらない、むしろ人懐っこくて飼いやすい、とっても良い子な猫である。


だっこも爪切りもOK、落ち着いていて、お留守番も問題ない。通院時も帰り道にはキャリーの中でぐーすか寝てしまうような猫だ。


もしかしたら検査が正確じゃないから、陰性なんじゃないか?と思ってしまうくらいである。


FIVも、FeLVも、陰性でも陽性でもどっちでもいいじゃん!と思っていただけるような里親さんとのご縁が繋がるよう、これからも積極的に告知をしていかなくては!


ご自身の年齢により飼うことを諦めてしまった方、事情があり数年だけしか飼えないと諦めてしまった方などいらしたら、ぜひお問い合わせください。


お待ちしております!

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